THA MASTA BLUSTA


そのイベントで好評だったのか、数日たってからオーガナイザーの方から連絡をもらった。
「次の11月にBigパーティを企画してるんやけど、出る?」って感じだったと思う。

正直、こないだのイベントで言いたい事いっちゃったし、相変わらずノルマあるし、、。
しかもBigパーティはチケット価格も超高くて、ノルマきついなあ、、、と思ってた。
その前にライブの印象とか教えて欲しかったし、良かったのか悪かったのか、反応はどうだったのか、そもそも見てないのか。
これって若手、同じアーティストをどういう風に見てるかよく分かった行動だった。
人間的な面かな、やっぱリスペクト出来ないなと思って断ろうと思ってた。

その時、「出てもらうゲストはM.O.S.A.Dなんだよね」 
僕は直感で「宜しくお願いします」って言ってた。
いや、だってTOKONA-X! トコナが出る!
しかもその他にDJ KENSAWも!西の証言!

ゲストはRYUZOANARCHYなどビッグな面子が揃っている。

僕はいつだったか日本語ラップをよくディグってる時期、さんぴんCAMPのビデオを擦り切れるまでみてた。
証言もそうだし、ギドラもブッダも超格好よかった。雷、KEMURIプロダクション。
色んなものを吸収してた。
でもオープニングかな?会場へ向かうヘッズ達の様子などを流しているシーンで掛かってた、DJ HAZUのトラックに興味津々だった。
そこからDJ HAZU関連の事をディグりはじめたけど、
あんまりインターネットも普及してないし、ライナーノーツのSpecialThanksから広げたりしてた。
そういう時期に知った、ILLMARIACHIだ。
どこかのレコ屋で買ったアナログが最初の出会いだ。
なんだ、このフロー。超オリジナル。唯一無二という言葉がピッタリだった。
さんぴんCAMPで映像にはなかったけど、トコナ18歳でさんぴんCAMPに出てたって知って、そこからトコナの虜だった。
その後のトコナの活躍はよくご存知だと思うので割愛するけど、何せ そのトコナと同じパーティである。

この時期の僕の好きな音楽とトコナ関連の音楽は全然融合出来なくて、
そのパーティでも浮いてしまうのは確実だった。

そして。



パーティの少し前、トコナはこの世を去った。
(来週22日はトコナの命日。もう13年経つ)

僕は何の面識もないし、何のつながりもない。ただ、このパーティだけは本当に楽しみだった。
オーガナイザーはパーティを開催するべきか悩んだと思う。でも開催する英断を下した。
それには当然ゲストもトコナ抜きで出演するって事を決断したからだ。
リハの段階で今まで感じた事の無い空気、誰も笑わないしかなり重たい。
いざイベントがスタートしても、客もどうやって楽しんだらいいのかわからない、
すごいカオスな状態だった。
楽しいのか悲しいのかよくわかんない空気だ。

僕も勝手ながら、心の中で追悼の意をもってライブに挑んだのを覚えてる。
正直、自分の言いたい事とかスタンスとか二の次で、ホントただの虚無感しかなかったし、自分が憧れたアーティストへの気持ちを言葉にしたただけの、一地方の一若手のフロントアクトライブ。

ライブ後、一人のラッパーが声をかけてくれた。
姫路の超怖そうなグループのLOWBLOWのフロントマンのMAX3さんだ。
見た目からしてM.O.S.A.Dのようなイカつさ。
「自分のライブ、めっちゃよかったわ。ちょっとシビれた」ってな事を言ってもらった。
普段、自分とは世界観の違うアーティストから、そんな事行ってもらってホントに嬉しかった。
それだけで出てよかったと思っている。


MOSADのライブもグッと来たな。
トコナはいないけど、そんな空気のパーティは中々経験できないし、あんな心境のアーティストに会う事も中々できない。
僕はいい経験が出来たと思っている。

でも、、ノルマは痛かった!
その日からオカズのない、白米だけの毎日が続いたよ。

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